結晶粒度分布の測定方法

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オフライン分析は一般的に実験の最後や、生産中の結晶粒度分布の測定に用いられます。このようなアプローチは一般的ですが、以下のような、結晶と関連したオフライン分析の制限事項があります。

• 結晶はデリケートで温度により変化するため、代表的なサンプルの抽出や分析は困難な場合があります。
• 多くの晶析には毒性がありサンプリングが容易でない場合もあります。
• 晶析のような急激に変化するプロセスでは、時間とともにどのような変化が発生しているかをとらえるための十分な量のオフラインサンプルを得ることは困難です。
• サンプリングからオフライン分析までは時間がかかるために、特に製造中では、製品の品質を向上するための決断に間に合わない場合があります。

これらはプローブ型粒子画像解析装置 EasyViewerによる画像ですが、さまざまな結晶の複雑な粒度、形状、構造などをわかりやすく表示しています。大きく丸い「岩のような結晶」から美しくデリケートな「樹枝状結晶」まで、結晶生成物は多種多様であり、効率的な分離や後工程での操作に課題をもたらします。

• 画像Aの結晶は、おそらく一貫して迅速にろ過されます。大きな結晶はろ過の際に大きな隙間ができるので液体を迅速に流すことができます。
• 画像Bのような平らなプレート状の結晶は、ろ過が難しい部類に入ります。プレート状の結晶は互いに重なり合い、層を作る傾向があるため、液体がろ過できない場合があります。結晶の晶析装置からの排出方法によってろ過に時間がかかったり、ろ過にかかる時間が変動することもあります。
• 画像Cも、ろ過に長い時間を要する事例の1つです。小型の結晶は大型の結晶が作った隙間をふさいでしまうため、液体が結晶の間をすり抜けにくくなり、ろ過されるのが難しくなります。多くの晶析プロセスでは、晶析の最後に（収率をあげるために）急冷や貧溶媒添加を行なうよう設計されています。これらの操作は過剰な二次核生成を引き起こす原因となることが、一般的に問題視されています。さらに、バッチの最後に排出を促進するため、撹拌を上げることが結晶の破損を誘発することが多くあります。
• 画像Dは種晶添加を行なう有機晶析では、一般的に用いられている結晶です。このような構造の結晶はサンプリング中や調製中に破壊される可能性があるため、オフライン顕微鏡では観察するのは困難です。しかしプローブ型粒子画像解析装置 EasyViewerでは樹枝状結晶の美しい構造を確認できます。このような樹枝状結晶は、粉砕した種晶を添加して晶析すると形成されやすくなります。結晶の表面がざらざらしていると、そこから結晶は成長し、種晶が枝分かれしたような形状になります。こうした結晶のろ過がどのように行われるのか予測するのは困難ですが、ろ過時間の変動する原因になると見られています。

リアルタイムで結晶を研究することにより、科学者は日常作業の中で、深く理解した信頼性のあるプロセスを開発することができます。プローブ型粒子画像解析装置 EasyViewerにより、科学者は工程内の結晶や結晶構造をサンプリングせずリアルタイムで直接観察できます。

核発生、成長、破壊、形状変化などの晶析メカニズムを、動的に変化するプロセス条件の下で観察することができ、最適なプロセスパラメータを確実に選定することが可能です。シンプルな画像ベースのトレンドを高解像度のリアルタイム画像と組み合わせ、結晶サイズ、形状、個数を確認することにより、重要なプロセスイベントを迅速に識別・分析できます。

ParticleTrackにより、科学者は以下を実現できます。

• 結晶をサイズ別に分類することにより、最終的な微小結晶と粗大結晶の分布を最適化する。
• パフォーマンスの低い晶析工程の原因を特定
• プロセスから得られたデータをもとに、適切なプロセスパラメータを選定し、晶析性能を最適化
• 繰り返し性と一貫性のあるプロセスのモニタリング
• インプロセス測定とオフライン粒度測定の相関
• 結晶サイズや個数が製品やプロセス品質に及ぼす影響のモデリング

FBRM技術に基づくParticleTrackプローブは流動するスラリーや液滴に接液して使用されます。希釈は必要ありません。集光レーザーがプローブウィンドウの表面をスキャンし、個々のコード長（粒度、形状、個数の測定値）を追跡します。このリアルタイム測定値は、分布および経時的な統計値（例:平均、個数）のトレンドが表示されます。

晶析の単位操作で最適な結晶サイズと形状分布を目指し、制御することで、以下を実現することができます。ろ過・乾燥の時間を大幅に短縮し、保管・輸送・保存期間の問題を回避し、一貫性と繰り返し性のあるプロセスを低コストで実現することが可能です。

このホワイトペーパーシリーズでは、結晶サイズと形状分布を最適化する基本的な方法と高度な方法を取り上げています。

画像ベースのプロセストレンドのより、結晶サイズと形状を保ったまま、どのように晶析のサイクルタイムを削減し、品質を改善できるかを理解できます。

このホワイトペーパーでは、種晶添加条件を決定するための最適な作業法をご紹介するとともに、種晶添加プロトコルを導入する際に考慮すべきパラメータについて詳述します。晶析に対する理解はこの30年間で改善されてきていますが、種晶添加ステップには、いまだ多くの課題が残されています。