ラボオートメーションとは?

ラボオートメーションでは、あらゆるラボ用機器ソフトウェア、プロセス、または一般的なラボオートメーション技術を使用して、ラボを効率化し、ワークフローを合理化することができます。ラボオートメーションには、分析結果の精確さや繰返し性を高める効果があります。

ラボオートメーションで使用されるツールには、コンベア、サンプルチェンジャー、ソフトウェア、目視検査、ロボット、自動分注装置、オートサンプラー、その他のリキッドハンドリングオートメーションシステムなどがあります。ツールは1つまたは複数のワークフローで使用できます。ラボオートメーション機器には、すでに組み込まれている測定やワークフローを自動化できるものもあれば、手動システムと組み合わせて柔軟性と制御を実現できるものもあります。

これらを可能にする技術は、既存のラボ測定機器、例えば天秤、滴定装置、pH電極、その他の電気化学/検査装置、重量法分注システム、ピペット、紫外可視分光光度計、熱分析装置などに追加したり組み合わせたりすることができます。

ラボオートメーションを利用する理由とは?

過去数十年を通じて、ラボオートメーションシステムとその原理による効果はほぼあらゆる業界に波及しています。自動化されたラボ測定機器は、時間節約やコスト削減、人為ミスの排除、ラボの効率性の向上を世界中にもたらす上で大きな役割を果たしています。

メトラー・トレドは、高まり続ける市場圧力や、検査結果を得るまでの時間短縮のニーズを受けとめながら、ラボオートメーションで重要な意味を持つ技術革新に取り組むパイオニア企業です。自動化技術は、現代のラボが業界の進化に追随し消費者の需要に応えるために必須の要素になりつつあります。特に、化学、製薬、食品・飲料など競合の激しい業界や規制対象の業界ではそれが顕著です。

自動化を利用してラボの生産性を高める方法とは?

自動化されたラボ測定機器で実現されるワークフローには1台または複数台の機器が含まれ、処理は基本業務手順(SOP)に従って実施されます。このSOPをラボデータ管理ソフトウェアにプログラムすることで、結果データをまとめて直接アーカイブしたりLIMS(ラボ情報管理システム)に統合したりできるようになり、コンプライアンスを強化し、重要な実験詳細データの紛失を防ぐために役立ちます。また、混合や検査ごとの清掃手順を標準化するためのプロトコルを設計できるので、再現性をさらに高め、ラボのオペレーターが高付加価値の作業に集中できるようになります。

高速な一貫性のある処理を可能にするラボオートメーションシステムは、特に反復の多い作業に適切です。例えばオートサンプラーを追加して、同一または類似のアッセイ用に多くのサンプルを同じ機器に供給することで、時間の大幅な節約、無駄やリワークの削減が可能になります。

ラボオートメーションは、合成手順の最適化に特にメリットがあります。実験を24時間続ける無人のリアクターの場合、研究者が反応やプロセスをより迅速に把握できる上に、計画立案やスケールアップもアシストします。

標準液調製を自動化すべきですか?

標準液の調製は、目的の物質を高い精確さで分注する自動装置を利用すれば、より容易に行うことができます。自動装置では、サンプルを節約しプロセスをスピードアップして再現性を高めることもできます。

固体や液体をミリグラム単位で計量する場合、繰返し性の高い結果を得るには高感度の分析天秤が欠かせませんまたは、XPR自動分注天秤などの高品質なラボオートメーションシステムを利用すると、多様な物質を取り扱い、さまざまな容器に分注できるようになります。微細、浮遊性、帯電、圧縮、粒状、不均質などの性質を伴う固体や、ナノ粒子、混合物、粘性のある液体など、これらすべてを数秒で精確に分注し、精確な溶液を調製することができます。

ラボオートメーションは分析後の作業にどのような効果がありますか?

化学ラボオートメーションは、産業界に広範な効果をもたらしています。ラボオートメーションソリューションの導入は増加しており、研究、品質管理、製造に関連する実験の精確さを最大化し、時間を短縮する可能性を後押ししています。プロセスの効率性と生産性の向上は、ラボがより高品質な製品を開発し、製品の市場投入を早め、企業の評判を落とすような危うい結果を低減または排除することにも貢献します。これは、品質管理者やラボ管理者が有効性を確保するのに役立ちます。また、規制違反による罰金を回避し、大きなコストを伴うリコールを最小限に抑えるためにも役立ちます。

ラボオートメーション機器は規制コンプライアンスの確保に役立ちますか?

はい。監査対象のラボは、分析ワークフローの厳密な管理によって結果の規制遵守を維持できるように努めています。ラボオートメーション装置を使用する場合、機器の選択や設置は慎重に行われ、使用履歴、日常点検、保守サービスなどの詳しい記録が残されます。

付随するソフトウェアは、データ記録の完全性とセキュリティに関する規制を満たしていることを同様に厳密にモニタリングします。また、割り当てられた一連の機器やメソッドへのユーザーのアクセスを制限するなど、その他の該当する要件も満たします。

メトラー・トレドは、機器の選定や据付場所/設定に関するガイダンス、さらに適切なサービスパッケージを提供することで、コンプライアンスをサポートします。また、日常点検用のトレーサブルな分銅や認証済み標準物質、データを保護し新たなプロセスに適合するモジュール式ソフトウェアパッケージ、結果の品質強化につながるSOP策定などの製品サービスも提供しています。

CarePacs®、CertiRef™、LinSetsなどのサービスや日常点検のソリューションについて、または現行プロセスの精確さなどを評価するためのGood Measuring Practicesについての詳しい情報もご覧いただけます。

ラボオートメーションはどのように生産性を向上させますか?

自動化により、ラボのスペースとリソースの使用を最適化できます。個々のプロセスをスピードアップすることも、ワークフロー全体をスピードアップすることもできます。ラボの機能全体を自動化することで生産性が向上します。また、安全性を向上させ、コンプライアンスと監査のプロセスを簡素化することもできます。

研究開発におけるラボオートメーションには他にどのようなメリットがありますか?

機器をソフトウェアソリューションと組み合わせたラボオートメーションにより、手動プロセスを使用した場合よりも短時間で豊富なデータセットが得られます。自動化された機器とソフトウェアにより、24時間無人で安全に実験を行うこともできます。研究者による反応とプロセスの理解を促進し、主要な反応種の継続的なモニタリングを可能にします。化学者もエンジニアも、複数のパラメータの潜在的な影響を同時に調べることができます。

ラボオートメーションはどのように安全性を向上し、オペレーターを保護しますか?

反復作業は疲労を引き起こし、時間の経過とともに怪我につながる可能性があります。ラボの機能を自動化することで、反復運動による怪我を防ぐことができます。自動化された機器やシステムは、危険な物質や環境条件への暴露を制限する保護環境に配置することもできます。

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