チーズのpH測定では、比較電解液とサンプルの相互作用が不十分なことが大きな障害になります。これは、チーズは密度が高いため、従来の電極ではサンプルを突き通すことが難しいからです。球形の繊細な感応膜が測定プロセスで破損する可能性があります。比較電解液とサンプル間の相互作用が制限されるもう1つの要因は、チーズサンプルの高い脂肪含有量による低い混和性です。さらにその他のいくつかの要因により測定値が不安定になり、応答時間が長くなります。
メトラー・トレドのInLab Solids Pro-ISMは、高い精度で正確にチーズのpHを測定するための特殊電極です。電極の尖った先端は固体のチーズサンプルに直接差し込むことができ、破損に強い強化ガラスで作られています。低メンテナンス型の固体XEROLYT®EXTRAポリマー比較電極システムには2つの利点があります。目詰まりの発生しない開放型液絡部がたんぱく質の付着リスクを排除します。電極はイオンの拡散を介してサンプルと相互作用し、サンプルと比較電解液の非混和性に伴う問題を解決します。InLab Solids Pro-ISMの特殊な設計と総合的な電極技術によって、固体チーズサンプルの直接サンプル測定を確実に実施できるようになります。これは、チーズの製造/品質管理の信頼性と一貫性を確保するために非常に重要です。
この電極、その利点、チーズのpH測定について詳しくは、アプリケーションノートをダウンロードしてください。
以降のセクションでは、チーズの製造とpH測定の重要性について詳しく説明します。
チーズのpH測定中に電極の損傷を防ぐには?
このビデオをご覧になり、メトラー・トレドの電極のメリットをご確認ください。
チーズの製造プロセスのどの段階でチーズのpHを測定しますか?
- 制御された条件下で微生物培養により牛乳を発酵させ、乳酸を生成させます。この結果、pHが下がり、風味が生まれます。
- 凝乳プロセスの後、上澄みの液体であるホエイを排出します。排水時のホエイのpH値は、加工するチーズの種類によって異なります。高pHの液体ホエイは高いカルシウム含有量と相関します。
- 次の段階で粉砕と塩析を行いますが、いずれもpH値の影響を受けます。粉砕中のpHが低いとチーズが硬くなり、塩析中のpHが低いと塩吸収が高くなります。
- 粉砕と塩析の後、一部のチーズは生化学プロセスによって熟成され、最終的なpH値にも影響を与えます。
チーズの製造におけるpH測定の重要性とは?
チーズ製造業界は、品質、風味、食感を保証するために製品のpHモニタリングを行います。pH値は微生物の培養活性の尺度として機能し、チーズの物理化学的、生化学的、微生物学的、官能特性を決定する要因の1つです。これらのパラメータは、チーズの特徴的な風味と食感を形成します。したがって、牛乳を酸性化するときの初期pH測定から熟成したチーズの最終測定まで、pHは目的のバッチ一貫性を達成するための重要な制御パラメータです。