消費者向け製品が外観、食感、風味、栄養価などの特性に関する要件を確実に満たすために、酸度測定は非常に重要な役割を果たしています。酸度測定によって、食品や飲料が保存期間などを含む一貫性のある明確な特性を持って消費者向けに製造されていることが保証されるからです。
製品が規制要件を満たし、安全性や健康上の問題がないことを消費者に対して示すためには、酸度測定が不可欠です。つまり、多くの食品と飲料にとって、酸度は重要な特性といえるのです。
消費者向け製品が外観、食感、風味、栄養価などの特性に関する要件を確実に満たすために、酸度測定は非常に重要な役割を果たしています。酸度測定によって、食品や飲料が保存期間などを含む一貫性のある明確な特性を持って消費者向けに製造されていることが保証されるからです。
製品が規制要件を満たし、安全性や健康上の問題がないことを消費者に対して示すためには、酸度測定が不可欠です。つまり、多くの食品と飲料にとって、酸度は重要な特性といえるのです。
酸度が食品の加工に及ぼす影響と、食品・飲料業界で正確な酸度測定を製品の品質確保に役立てる方法については、メトラー・トレドのガイド「酸度分析入門: pH/酸度モニタリングのための厳選テクニック」をダウンロードしてください。
酸は食品や飲料の中に自然に存在する場合もあれば、発酵などの過程で発生したり、一般的な保存手段として加工の際に添加されたりする場合もあります。pH値を4.6以下にすることでボツリヌス中毒の原因菌であるボツリヌス菌のような微生物の増殖を制限できるからです。したがって、食品加工のバリューチェーン全体を通して酸度測定が重要になります。
生の食材や腐りやすい食品の鮮度や成分の指標は、酸度測定が主な基準になります。例えば、生牡蠣が食中毒防止のために十分に洗浄されているかどうかや、乳牛群における乳房炎の存在を示唆するなど、pHを迅速に評価することができます。
牛乳、油、フルーツジュースなど、混合して販売されたり、不純物が混入する可能性のある生鮮食品に関するより詳細な手掛かりは、滴定で得ることができます。例えば、乳酸の量が多い牛乳は細菌が混入している可能性があり、ミックスジュースに酒石酸やリンゴ酸が含まれている場合は、特定の果物が混入していることを示唆しています。フレッシュジュースなどの製品では、この試験がアレルギー反応や他の病気の防止だけでなく、品質表示に関する地域の要件の遵守に重要な役割を果たします。
食品や飲料の賞味期限は、前述のように酸含有量測定の結果から知ることができます。ただし、この期間中は厳しい温度管理が要求されることもよくあります。米国連邦規制基準(CFR)Title 21 Part 114では、酸性化することによって保存を行うほとんどの食品や飲料は、認証された方法で評価されなければならないと規定されています。pHや滴定による電位差測定は、結果が最終的な平衡pHの影響を受けることから、pHが4.0~4.6の製品に適しています。これに対し、pHが4.0未満の食品にはどのような方法も使用できます。
酸度に関する食品・飲料分析には、pHと滴定酸度という2つの概念があり、相互関係にあります。どちらも食品の品質に影響を与えます。滴定酸度測定は食品の総酸濃度(総酸度ともいう)を測定するものです。pHはサンプル中に存在するH+イオンによって酸度(活酸性ともいう)を測定します。
pHとは食品や飲料の酸度またはアルカリ度を示す指標です。pHメータは、この酸の強さを比較電極(Calomel電極またはAg/AgCl電極)とpH電極(ガラス電極)との間の電位差で測定します。そして、この電位差は溶液中のH+イオン濃度と関係し、溶液の酸度に対応します。
食品や飲料のpH値は、サンプルの酸度やアルカリ度によってさまざまな値を示します。以下の表に示すように、食肉、乳製品、アルコール、レモンジュース、炭酸水、酢などの一部の食品はpHスペクトルの酸性側に属し、一般的な野菜や果物はアルカリ性側に属しています。
品名 | pH範囲 |
ケチャップ | 2.00~2.60 |
酢 | 2.40~3.40 |
フルーツゼリー | 3.00~3.50 |
イチゴ | 3.00~3.90 |
リンゴ | 3.30~4.00 |
リンゴジュース | 3.35~4.00 |
フルーツジャム | 3.50~4.50 |
キュウリのピクルス | 4.20~4.60 |
トマトピューレ | 4.30~4.47 |
トマト | 4.30~4.90 |
キュウリ | 5.12~5.78 |
豆腐 | 7.20 |
滴定酸度または総酸度は、滴定装置とともに電極またはインジケータを使用し、既知量のサンプルを滴定することによって測定できます。滴定終点の測定は、滴定の種類に応じて電極かカラーインジケータを使用します。この手法は、サンプルの総酸含有量に関する精度の高い酸度測定方法です。滴定を用いて酸含有量を測定するには、中和滴定、酸化還元滴定、比色滴定などのメソッドを使用します。
中和滴定
中和滴定は、pH電極を使用し、果物、ジュース、酢をベースにした調味料、ワインなどに含まれるリンゴ酸、酒石酸、クエン酸、酢酸などの有機酸と反応させるために必要な滴定液を定量するものです。サンプル中の酸を中和する強塩基を用いてサンプルを滴定することで測定できます。
酸化還元滴定
酸化還元滴定は一般的に、飲料に含まれるアスコルビン酸の測定とワインに含まれる亜硫酸塩含有量の測定で行われます。アスコルビン酸を2,6-ジクロロフェノールインドフェノール(DPI)で滴定すると、酸化還元反応を起こし、電子が2つ交換されます。この電子交換を電極で検出し、滴定液によってすべてのアスコルビン酸が消費されると、電極の電位が変化し、滴定の当量点が分かります。
比色滴定
食品や飲料の酸度を測定する場合、フェノールフタレインなどのカラーインジケータの変化で中和滴定をモニタリングすることもできます。このような滴定には強塩基を使用します。食品サンプル中の酸が中和したら、すぐにPhototrode電極で色の変化を正確に観察します。これは電位変化に対応しています。この電位の変化が滴定の当量点となります。Phototrode電極は、沈殿や濁度測定にも使うことができます。
メトラー・トレドには、滴定の種類や使用する滴定装置に応じて、食品や飲料の品質管理のニーズを満たす幅広い電極が揃っています。ワインやフルーツジュースなどの食品や液体の総酸度を高精度に測定するには、メトラー・トレドの電極が有用です。
高精度で繰返し性のあるサンプル調製は、品質管理要件の適合と消費者に対する安全の確保に努める食品・飲料などの業界にとって極めて重要です。サンプル調製の繰返し性、精度、速度を向上させるため、メトラー・トレドはスループットを高めると同時に、結果が出るまでの時間とサンプル当たりの処理コストの両方を減らすように設計した分析機器一式を用意しています。
ピペット
サンプル調製は一般的に液体を扱いますが、メトラー・トレドには水性溶液から高粘性溶液や高揮発性溶液まで、さまざまな水溶液を扱うシステムが数多く揃っています。特に食品・飲料業界など、加工する容量が多くて20 mL、少なければ20 µLという場合もある業界向けに、シングルチャンネルピペット、マルチチャンネルピペット、卓上型システム、消耗品を包括的に取り揃え、ほぼすべてのサンプル調製に対応しています。ピペットについて詳しくはこちらへ
水分計
食品業界の等級付けでは、品質と安全性のパラメータを満たすために、酸度と水分含有量の両方を測定することが頻繁にあります。メトラー・トレドの機器は、管理限界、自動データ転送、ユーザーガイダンスなど、使いやすくするための機能を内蔵しているため、迅速かつ高精度に水分率測定を行うのに役立ちます。また、画期的なQuickPredict機能を使用し、情報に基づいて結果を予測することにより、すばやい水分率測定と意思決定が可能です。水分計について詳しくはこちらへ
分析天びん
信頼性の高い測定をするには、高精度なサンプル調製が極めて重要な前提条件となります。重量法によるサンプル調製を行うことで、固体と溶媒の両方を計量し、より高精度な溶液を得ることができます。この方法は、サンプル間のばらつきをなくし、スペックアウトの結果を減らすのにも役立ちます。その結果、分析の結果に対する信頼性が高まり、より確実に安全性と品質管理の要件を満たすことができます。分析天びんについて詳しくはこちらへ
メトラー・トレドは、特定の食品や飲料品に焦点を当てた酸度測定に関するアプリケーションノートを用意しています。以下の表にあるように、こちらの資料では、食品製造のバリューチェーン全体にわたって高精度な酸度分析を行えるように、特定のサンプルタイプについて説明しています。
酸度測定はpHと滴定を用いて行うことができます。pHメータは、溶液中のH+イオンの濃度によってサンプルの酸強度を測定します。滴定分析では総滴定酸度がわかります。滴定には酸塩基滴定、酸化還元滴定、比色滴定があります。
食品の酸度測定は、品質管理の際のバッチ間の一貫性、風味、外観に関する有効な指標です。ヨーグルトの製造や醸造を始めとする特定食品の鮮度検査など、時間の経過とともに酸度が変化する食品のモニタリングには酸度分析も使用できます。
滴定酸度測定は、食品に含まれる総酸濃度(総酸度ともいう)を測定するため重要です。pHはサンプル中に存在するH+イオンによって酸度(活酸性ともいう)を測定します。
溶液の酸度の測定はpHと呼ばれ、pHは液体中の水素イオン(H+)の濃度を表します。液体中の水素イオン(H+)の濃度が高い場合、その液体は酸性です。濃度が低い場合は塩基性(アルカリ性)です。つまり、水素イオンの濃度を測定すると、その液体が酸性、中性、アルカリ性かがわかり、それぞれの度合いもわかるのです。
酸解離定数(Ka)は溶液中の酸の強度を表します。
数学的には次のようになります。
Ka=[A−][H+][HA]
ここで、Kaは平衡定数(単位: mol/L)です。
はい、メトラー・トレドのpH電極とpHメータは自動化に対応しています。自動化は研究室の生産性や効率性を向上させる最適な選択肢です。酸度測定とその他の自動化オプションについて詳しくは、こちらをクリックしてください。