反応熱量測定とは何ですか?

反応熱量測定では、化学反応や物理プロセスにおける放熱を測定し、熱化学や反応速度論の基本情報を得ることができます。

ここで得られた情報は、時系列的な化学反応における放熱を理解し、それをラボレベルからプラントレベルに安全に移行するために不可欠です。

反応熱量測定を行うことで想定外の挙動が明らかになり、拡張性に関する問題を可視化・定量化できます。また、ヒートトランスファー/マストランスファーや攪拌に関する問題を特定し、特定の反応やプロセスの正しい温度、攪拌/試薬添加の挙動について判断するために役立ちます。反応熱量測定から得られた情報を、プロセスのリスク、拡張性、クリティカリティーの評価に利用することもできます。

反応熱量測定データを使用することで、制御下にあり正確で高い再現性を持つ環境でプロセスパラメータの特性を評価し、最適化、理解することができます。

ヒートフロー反応熱量測定とは何ですか?

ヒートフロー反応熱量測定とは

ヒートフロー反応熱量測定とは

ヒートフロー反応熱量測定は、化学反応または物理的プロセスにおける放熱を測定する最も簡易で信頼できる方法です。メトラー・トレドのすべての反応熱量測定ワークステーションでサポートされています。ヒートフロー反応熱量測定は感度が非常に高く、大半の条件下で使用できます。また繰返し性にも優れています。

ヒートフロー反応熱量測定の原理は、リアクター壁面の温度差の測定に基づいており、この温度差を校正係数によってヒートフローに変換します。

校正係数は、リアクターの壁の導電率と厚さ、リアクター内容物の膜の伝熱係数、油膜の伝熱係数、熱交換面積によって異なり、電気ヒーターを用いて測定します。

ヒートフロー反応熱量測定のメソッドは、小規模から大規模まで幅広く応用可能で、あらゆる化学プロセスの開発プロジェクトやプロセスの拡張、化学プロセスの安全性評価における基礎となります。

反応熱量測定にはどのような価値がありますか?

反応熱量測定のグラフ

反応熱量計によって、大規模な用途でプロセスの効率的で安全な開発が可能になります。

反応の規模がラボレベルからプラントレベルに拡張されると、さまざまな理由から拡張性に関する問題が顕在化する場合があります。最悪の場合は、反応に関するリスクが特定されず、反応が暴走し爆発に至る可能性もあります。多くの場合、発熱事故は以下の原因によって発生します。

  • プロセスの化学または熱化学に関する理解が不十分
  • 熱を除去できない
  • 攪拌挙動に関する理解が不適切または不十分
  • 人的要因

事故は、必要なデータをラボレベルの規模で測定することにより回避できます。ラボでの作業は、反応熱量計を使ってプロセスに近い条件で行われるため、作業の結果をより大規模なオペレーションに直接適用することができます。

反応熱量測定で得られる情報によりプロセスの理解を深めることができるため、必要な手順を、定期的かつ確実に、必要な品質標準で実施できます。

あらゆる条件下で正確、高精度な熱量データをどのように得ることができますか?

ラボからプラントレベルに移行するには、正確で高精度なヒートフローデータが不可欠です。化学プロセスの正確かつ高精度な熱情報を得るためには、高性能の加熱/冷却システムと、高感度な温度測定/制御システムを組み合わせることが前提条件となります。この情報には、反応熱、トータルヒートフローバランス、マストランスファー/ヒートトランスファー、リアクター内容物の比熱に関する詳細が含まれます。

化学プロセスのトータルヒートフローバランスには、熱の蓄積、反応物や溶媒の添加による熱交換、粘度変化による熱、熱損失などのさまざまな熱的事象が含まれます。

温度変化を伴う条件下で進行する反応では、熱の蓄積が反応熱の計算(時間の関数として放出される熱)で重要な要素になります。

メトラー・トレドの反応熱量計とiControlソフトウェアでは、高度な計算アルゴリズムを使用します。ここではリアクター壁面の動的挙動、容器とリアクターの挿入物の熱容量が考慮され、最高の精度と正確さを伴う熱量データが得られます。

反応熱とは何ですか?

反応熱または反応エンタルピーは、化学反応で放出または吸収されるエネルギーです。反応物が生成物に変換されるときのエネルギー量の変化を表します。発熱性(放熱)と吸熱性(吸熱)の反応がありますが、化学業界と製薬業界で実行されている反応の大半は発熱性です。反応熱は、ケミカルリサーチ、スケールアップ、特にラボスケールから製造へプロセスをスケールアップするときの安全性のために使用される熱力学的特性の1つです。

反応熱と反応エンタルピーの詳細をご覧ください。

反応熱量計をサードパーティのアクセサリに接続できますか?

はい、できます。Easy Control Box(ECB)アクセサリ(別売)を使用して、センサ、試薬添加、サンプリングソリューションを含むサードパーティ製デバイスの自動制御とデータ取得用に反応熱量計を拡張します。

ECBには試薬添加制御機能があり、市販のポンプや天秤を簡単に接続して、事前にプログラムされた自動重量ベースまたは容量ベース添加を行うことができます。このアクセサリは、SmartConnect技術センサによるプラグ&プレイ機能を備えています。制御要素が自動的に認識されるため、リアクターシステムの設定が簡単になります。

Easy Control Box(ECB)の詳細をご覧ください。

反応熱量測定ガイドのご紹介(日本語版)

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