データの信頼性とインテグリティは、コンプライアンス、製品の品質、消費者の安全性にとって基本的な要素です。研究開発、品質管理から製造、ロジスティクスに至るまで、活動を文書化して再構築することは、バリューチェーン全体に対する信頼性を確立するための鍵となります。指数関数的に増加するデータ量は、さまざまな業務間での効率的な調整、管理方法に大きな課題をもたらします。製造企業や組織にとっては、プロセスレビューに備えた監査対応のレポートにより、時間的な制約を受けながらも業務チーム間でデータを確実に分析し共有することが不可欠です。
データインテグリティが重要な理由
デジタル化の利点
データ収集をメトラー・トレドの電子ソリューションによって全面的または部分的に自動化することにより、完全、正確でトレーサビリティをともなうドキュメントが保証されます。データ管理ソフトウェアによるデジタル化(デジタライゼーション)により、企業同士がバリューチェーン全体で協調し、生産性を向上させ、市場への新しい販路を生み出せるようになります。
研究室向けデジタルソリューション
製造業向けデジタルソリューション
パッケージング向けデジタルソリューション
FAQ – データインテグリティとデジタル化
データインテグリティとデータの信頼性の違いとは?
データインテグリティは、データのライフサイクル全般にわたりデータの正確性と一貫性を維持し保証するものです。またデータを保存、処理、または取得するシステムの設計、実装、使用にとって重要な要素でもあります。データインテグリティはデータ破損の正反対になります。データの信頼性とは、データが完全で正確なことを意味し、組織全体でデータの信頼を構築するための重要な基盤となります。データの信頼性を確保することは、データインテグリティの取り組みの主な目的の1つであり、そのような取り組みはデータセキュリティ、データ品質、規制遵守の維持にも利用されます。
規制遵守が重要な理由とは?
規制遵守が重要である理由は、組織が定められた品質基準、例えば米国食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)、医薬品・医療製品規制庁(MHRA)、日本医薬品医療機器総合機構(PMDA)などの主要規制機関が公表するGood Manufacturing Practice(GMP)ガイドラインなどの基準を満たしていることを示すための情報のやり取りとなるからです。データ管理ソフトウェアや規制遵守ソフトウェアを使用することにより、単にコンプライアンスの要件を満たすだけでなく、さらに多くのメリットが得られます。 また、組織は最新の規制やトレンドを取り入れ、自社事業に対する評判を落とすことなく、効率性も向上させることができます。
不十分なデータインテグリティが引き起こす問題とは?
データインテグリティが不十分な問題は、製造の停止や製品のリコールなど、きわめて高コストな結果につながる可能性があります。最悪の場合、医薬品がGMPのガイドラインに従わないことで、致命的な結果を招く可能性もあります。このような理由から、バリューチェーン全体で堅実なデータインテグリティソリューションに投資することには、確かな価値があります。
データのトレーサビリティとは?
データのトレーサビリティとは、データのライフサイクルを通じて移動するデータを追跡するプロセスです。トレーサビリティは、手動または自動化された手法で実現できます。
データのトレーサビリティは監査への備えにどのように役立ちますか?
完全なトレーサビリティには、機器や装置、日付、時刻、メソッド、原材料情報、校正履歴などの関連データが記録されます。すべてのデータは直接レポートを作成したり分析するために利用できるので、監査プロセスをスムーズに実行できます。データのトレーサビリティの実現による利点には、他にもデータ品質と費用対効果の向上、効率性の向上、意思決定の迅速化、セキュリティの強化などがあります。
データセキュリティとは?
データセキュリティは、データのライフサイクルを通じてデータを不正アクセスやデータ破損から保護するプロセスを意味します。データセキュリティには、データ暗号化、トークン化、鍵管理の手法が含まれ、すべてのアプリケーションやプラットフォームでデータを保護します。
プロセスでデータインテグリティを確保する方法とは?
データインテグリティを確保することは、GMPガイドラインに従って基本原則を理解し、その原則を念頭にプロセスを設定することから始まります。 サプライヤは、ALCOA+、データの重要性、データのリスク、監査証跡などの原則を理解し、規制に準拠したプロセスを適切にサポートできるようにする必要があります。 エラーが発生しやすい手作業の代わりに自動化されたデータ記録方法をプロセスに組み込むことは、すべてのプロセスでデータインテグリティを確保するための最初の重要なステップです。
中央データベースへの自動データ保存によって、データインテグリティとデータのトレーサビリティはどのように保証されますか?
完全なトレーサビリティには、機器や装置、日付、時刻、メソッド、原材料情報、校正履歴などの関連データが記録されます。すべてのデータはすぐにレポートまたは直接解析に使用することができ、データベースに安全に保存され、ERPシステムに転送することができるので、保存期間中のデータのアーカイブが簡素化されます。
デジタイゼーションとデジタライゼーションの違いとは?
デジタイゼーションとは、物理的な物や属性をデジタル技術を使用して表現することです。何かをビットまたはバイト単位に置き換えることでもあります。文書をスキャンすれば、文書がデジタル化されたことになります。デジタライゼーションとは、コンピュータ、ソフトウェア、インターネットを使用してデジタル技術とデジタル化されたデータを活用することで、プロセスを可能にすること、適応させること、あるいは改善することなどを指します。
デジタライゼーションのメリットとは?
企業が報告するデジタル技術の導入によるメリットの多くには、効率性の向上、俊敏性の向上、作業方法の柔軟性の向上、信頼性とセキュリティの向上、コラボレーションと洞察の向上、大幅なコスト節約などがあります。
DXとは?
DXは、 デジタル技術により実現されるビジネスモデルの変革です。あらゆるプロセスやビジネス領域でDXを活用し統合することで、エンゲージメントとパフォーマンスを向上させながら、新しい価値を創造することができます。
データインテグリティはDXをどのように支援しますか?
データインテグリティは、コンプライアンスの促進や俊敏性・効率性の向上につながり、ライフサイエンス業界で最も注目されています。組織や企業は、データ品質に裏打ちされたコラボレーションや技術革新を、より効率的に実現できるようになります。高い信頼性、安全性、品質を備えたデータは、DX化を推進するバックボーンとなります。