ラボ用pH測定機器

研究室・品質保証などさまざまな環境に対応

電気化学測定装置は、研究室や品質保証のアプリケーションでpH、導電率、イオン濃度、ORP/酸化還元、溶存酸素(DO)を正確に測定します。高精度の電極、校正・標準液、分析ソフトウェアと組み合わせることで、正確で完全な測定ソリューションを構築できます。

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FAQs

電気化学的測定とは何ですか?

電気化学とは、電極と電解液との間で電子が移動する溶液に生じる化学反応に関する研究のことです。電気化学的測定には次のようなものがあります。

  • pH
  • 導電率(Cond)
  • 酸化還元電位(ORPまたはRedox)
  • イオン濃度(ISE)
  • 溶存酸素(DO)

 

pHとは何ですか?

pHは水性溶液の酸度とアルカリ度を表すための尺度です。pH値は水素イオンの濃度(厳密には活量)と相関します。pH値が7未満の溶液は酸性(水素イオンの濃度が高い)、7を超える溶液はアルカリ性(水素イオンの濃度が低い)となります。

 

pH測定システムを使用する理由と使用範囲は?

pHは次のような理由で測定します。

  • 規定の特性で製品を製造する
  • 低コストで製品を製造する
  • 人間、材料、環境へのダメージを防ぐ目的で製品の品質を確保する
  • 規制要件に対応する
  • 機器を保護する
  • 研究開発のために知識を得る


ラボ用pHメータは、次のような多様な業界で使われています。

  • 製薬/バイオテクノロジー
  • 乳製品
  • 土壌/汚水処理
  • 化粧品
  • 水のろ過
  • 食品・飲料


さらに、pH機器は研究室の外で行われるアプリケーションでも必要とされています。例えば、産業分野の製造施設やその近く、さらに屋外(水、下水、土壌などを測定する場合)などの場所です。

 

pH測定システムの構成要素は?

pH測定に必要なツールは比較的簡素で、正しく使用すれば信頼性の高い測定結果を得られます。一般的なラボ用pH機器の構成要素は次の通りです。

  • pHメータ: ガラス電極と比較電極の間の電圧の差を測定し、pH値を算出する電位差計。
  • 電極: 回路末端の比較電極とpH電極。近年、この2つは組み合わせることができ、複合pH電極と呼ばれています。


その他必要なツールは次の通りです。

  • 校正標準液: サンプルのpHを測定する前に、既知のpH値を持つ2つ以上の比較標準液を使用して、pH電極を校正する必要があります。
  • サンプル: サンプルは測定する溶液で、水溶液であるか、pH測定が可能な水分量であることが必要です。
 
 

サンプルのpHと導電率には関係がありますか?

はい。pHと導電率は関連がありますが、線形的ではなく、絶対的でもありません。
pH電極は溶液中のH+だけに反応しますが、導電率の場合、電極は溶液中に存在するすべての荷電イオン(陰イオンと陽イオン)の活量を測定します。そのため、イオン濃度が高くなるほど、導電率も高くなってしまいます。

さらに、イオン移動度は導電率を高める効果があります。溶液中の一般的なイオンのうち、最も移動度の高い陽イオンは水素イオン[H+]でその値は350単位、最も移動度の高い陰イオンは水酸基イオン[OH-]で199単位です。その他の一般的なイオンは40~80単位の範囲の値です。これは、強酸性(または強塩基性)の溶液が高い導電率であることを意味しています。pHは水素イオンの濃度の尺度であるため、次のルールが適用されます。

  • 酸性溶液(pHが7未満)の場合: pHが低いほど(H+濃度が高いほど)導電率が高い。
  • アルカリ性溶液(pHが7を超える)の場合: pHが高いほど(OH-イオン濃度が高いほど)導電率が高い。
  • 中性溶液(pH = 7)は、H+イオンとOH-イオンの濃度が等しい。しかし、これは溶液の導電率に貢献するその他のイオンが溶液に含まれていないことを意味しているわけではありません。

1つの例を考えてみましょう。脱イオン水のpHは理論上7.0、導電率は0.055 µS/cmです。ここにNaCl塩を加えると、得られるNaCl溶液のpHはまだ中性のままですが、添加するNaClの量によっては、この溶液の導電率は大きく上昇します。

まとめ: サンプルのpHと導電率はサンプルごとに別々に測定する必要があり、理論的に相関させることはできません。

 

現在使用しているpH測定システムは温度を補正する機能がありますか?

pHの測定はサンプルの温度に左右されます。以下の点に注意してください。

a. 電極の傾きに対する温度の影響:
pH電極は、測定ハーフセルと比較ハーフセルとの間に電位(mV)を提供します。ラボ用pH機器は温度依存性係数 -2.3 * R * T / Fを使用して、この電位からpH値を算出します。ここで、Rは一般気体定数、Tはケルビン単位の温度、Fはファラデー定数です。298 K(25℃)でこの係数は-59.16 mV/pHとなります。これを基準温度(25℃)における理論上の傾きと呼びます。異なる温度での傾きの値は、これに応じて計算できます。例えば、10℃では-56.18 mV/pH、20℃では-58.17 mV/pH、30℃では-60.15 mV/pHとなります。pH測定に関するこの温度の影響は、自動温度補正(ATC)または手動温度補正(MTC)で補正されます。したがって、サンプルの温度を把握すること、または温度プローブを使用することが重要です。間違って温度を設定すると、5℃の違いで0.12 pHの誤差が生じてしまいます。

b. サンプルのpH値に対する温度の影響:
サンプルのpH値は、温度によって変化します。これは化学的な作用であるため、サンプルの種類ごとに異なります。この影響を補正することはできず、実際の温度における実際のpH値のみが表示されます。したがって、必ず同じ温度で測定したpH値を比較することが重要です。

例外として、市販されている多くの標準液のpHの温度依存性は機器に登録されています。その結果、測定した電位は、自動的に25℃または20℃の値が参照されるので、電極は異なる温度で校正することができます。この機能を生かすには、正しい標準液グループを選択し、校正中に温度を測定することが重要です。

 

現在使用している導電率測定システムは温度を補正する機能がありますか?

導電率の測定は、強い温度依存性があります(1℃あたり約2%の変動)。すべてのサンプルの温度が同じ場合か、値が特定の基準温度を参照している場合に限り、結果を比較することができます。

ほとんどの場合、線形温度補正が使われます。オペレーターは、基準温度として20℃か25℃を選択する必要があります。次に、測定した温度と基準温度との差に、α(単位: %/℃)と呼ばれる補正係数を掛け、これで導電率を補正します。

これを正しく行うには、線形補正係数αはサンプルごとに決定する必要があります。温度依存性は線形だと考えられていますが、実際にはこの「線形」係数自体がサンプルのイオン濃度と温度に依存しています。αの工場出荷時の設定は2.00 %/℃です。すべてのFiveシリーズメータとSevenシリーズメータで、αは0.00 %/℃(温度補正をまったく行わない状態)から10 %/℃まで調整することができます。

 

pH測定システムには、どのようなサポートオプションがありますか?

メトラー・トレドのpH測定・サポートセンター(pH CSC)には、電気化学分析専門のスタッフチームがおります。このチームは、お客様、テクニカルサポート、製品管理や製品開発部門と密接に連絡を取りながら、効果的なソリューションを迅速に提供し、pH分析の分野ではユニークな存在としてサービスを展開しています。

提供されるテクニカルサポートや実用的なサポートには、以下の測定パラメータや関連するメトラー・トレドのpH測定ラボ用機器が含まれます:

  • pH
  • 酸化還元(ORP)
  • イオン濃度(ISE)
  • 導電率
  • 溶存酸素(DO)