ラボ用天秤の使い方 FAQ

基本と仕様の読み方

 

 

Q1

天秤の選定基準は?

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A1

お客様の使用場所/用途、ひょう量、最小表示、調整(校正)方法の4点が基本になります。
さらに各種規制適合が必要なお客様は、適合すべき規制、許容誤差、最小計量値、データ文書化、通信拡張性等も考慮する必要があります。
メトラー・トレドでは、上記すべての条件からお客様のニーズに合った天秤を30秒で検索することができる天秤の簡単検索(EasyFinderTM) 機能をご用意しております。
そちらから天秤の比較/見積もり依頼が可能で、各用語の説明等も記載された大変便利なツールですので、是非ご利用ください。

 

Q2天秤はどのような場所に設置すればいいですか?TOP
A2

特に分析天秤を用いた質量測定では、ひょう量結果の正確性と信頼性は分析天秤やひょう量操作そのものだけでなく、天秤自体の設置条件にも大きく依存します。
天秤の設置場所については天秤台の使用や測定室の選定をはじめ、光、温度、湿度、振動、空気対流、静電気など多くの外的要因を考慮する必要があります。詳細につきましては弊社担当者までお問い合わせ下さい。

 

Q3特定計量器(取引・証明用)は取り扱っていますか?TOP
A3

グローバルウェブサイトのためホームページに詳細が記載されておりませんが、日本ではXP上皿/XS上皿/Classicシリーズで全77機種の特定計量器を販売しております。
全機種自己補正機構付き、検定済品です。特定計量器カタログをご用意しておりますので、弊社担当者までお気軽にご依頼下さい。

メトラー・トレド特定計量器について 

  • 取引、および証明の用途には特定計量器(目量10mg以上が対象)を使用しなければなりません。
  • 検定済品とは、計量法の規定に基づいた適正な計量の実施を確保するため、その構造または器差検査に合格した後「検定済証印」を受けた特定計量器をいいます。
  • 特定計量器は、各都道府県の検定所で実施される検定を受検し検定済証印を得た後、取引および証明に使用することができます。また2年に1回、指定地域で定期検査を受けることも義務づけられています。
  • すべての機種は自己補正機構付き(内蔵分銅付)はかりで、精度等級分類(JIS B 7611-2:2005,4.2)に則してメトラー・トレドではⅠ級、Ⅱ級があります。型式番号は第D0020号です。(Ⅰ級、Ⅱ級は特定計量器の本体の銘板にⅠ級、またはⅡ級と表記されています。)
  • 全機種自己補正機構(内蔵分銅)付きのため、使地域の区分に関係なく特定計量器として直ちに使用できます。ただし、各都道府県または特定市に使用の届出の必要があります。
Q4

天秤の精度とは?

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A4

天秤の計量能力を表す項目として、「繰り返し性」と「直線性」の2項目があります。分銅校正など同一の質量のものを繰り返し測定する場合や、USPなどで要求されている最小計量値の算出には「繰り返し性」が重要ですが、未知の質量のサンプルを測定する場合には「直線性」が重要です。

 

Q5

繰り返し性とは?

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A5

同一の測定条件で同一の測定対象を、同じ条件で比較的短い時間に繰り返し測定した場合に、個々の測定値が一致する性質、または度合いです。従って、再現性とは異なります。

 

Q6再現性とは?TOP
A6

測定条件を変更して行なわれた、同一の測定量の測定結果間の一致の度合いです。再現性を記述する時には、変更した条件などを明記する必要があります。

 

Q7

直線性とは?

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A7

その天秤のひょう量範囲において、任意のサンプルをひょう量した時にそのひょう量値(表示値)が真の値から偏る度合いです。例えばPB602-Sというモデルの場合、カタログには直線性として±0.02g と記載されています。0~610gのひょう量範囲で任意のサンプルの質量値を測定した場合に、真の値から最大で±0.02gのズレが生じる可能性があることを表しています。ただし、カタログ上のスペックは風や振動などの影響がないベストな環境で使用した場合の数値ですので、実際の使用環境下ではこれらの影響も考慮する必要があります。

 

Q8

公称値、代表値とは?

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A8

メトラー・トレドのカタログやホームページの仕様データに使われている公称値、代表値の定義は、以下の通りです。

公称値:(振動/対流/温度変化等の影響の少ない)通常の据付環境において、天秤を正しく使用して、分銅のようなコンパクトなサンプルを用いて測定を行った場合に保証できる値です。
上記環境において天秤の正しい使用法によってもこの公称値を満たせない場合には、その天秤はメンテナンス/修理が必要と判断されます。

代表値:人間の指紋と同様に天秤は1台ごとに異なる特性を有しますが、弊社スイス本社の研究開発部門が行なった大きな母集団からの実測によれば、上記のような据付環境/使用方法において多くの器物は公称値よりも良い計量性能を発揮しているため、特に機種選定(最小計量値算出等)に際しての使用を推奨する(期待できる)値です。

 

Q9デルタレンジ(DR)とデュアルレンジ(DU)って何ですか?その違いは?TOP
A9

デルタレンジ (DR)モデルは全ひょう量範囲内で移動式の高分解能レンジを有する天秤です。風袋引きをするごとに、高分解能レンジが呼び出されます。

デュアルレンジ (DU)モデルはひょう量範囲内で固定された高分解能レンジを有する天秤です。高分解能レンジを越えると、最小表示は自動的に一桁繰り上がります。

 

Q10

FACTとproFACTの違いは?

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A10

■FACT:Fully Automatic Calibration Technology全自動調整機能

ひょう量セル内にある温度センサが常に温度を測定し、温度変化に応じて自動調整機能が作動し、内部分銅の載せ降ろしを行います。この結果、天秤は定められた範囲内に調整されます。
・該当機種:XS、PB-S/FACT、AB-S/FACT

■proFACT:programmable FACT

温度変化で作動する上記FACT機能に加え、設定した時刻でも自動調整を行います。
またこれらの自動調整履歴を記憶し、必要に応じて呼び出す事が可能です。 ・該当機種:XP、UMX/MX automated-S、WX

Q11

天秤のデータ通信速度(インターフェイス・アップデート率)は?

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Q11

AB-S/PB-S:8回/秒、PG-S:8回/秒、PR:20回/秒、AG:5回/秒、AT/MT/UMT:6回/秒、AX/MX/UMX:8回/秒、XS、XP:23回/秒、WXS:最高92回/秒

 

Q12

プリンタには、どのケーブルが標準付属品として付いてきますか?

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A12

LC-P45およびRS-P42、RS-P25RS-P26RS-P28にはRS9-RS9mfケーブルが標準付属されています。メトラーの現行機種(インターフェイス標準搭載モデル)の場合はこちらで接続が可能ですが、製造中止の天秤の中には、LocalCANなど異なるケーブルが別途必要な場合がございますので、お使いの機種のインターフェイスをご確認下さい。
ワイヤレスプリンタ BT-P42(XP/XS天秤用)には、別途ブルートゥースインターフェイスが必要となります。シングルポイントとマルチポイントの2種類をご用意しております。

 

Q13

天秤(水分計)とPCを接続したいのですが。

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A13

まず必要なものは天秤(水分計)とPCを接続するケーブルです。機種によって異なりますのでご使用のモデルのインターフェイスをご確認ください。次にデータを取り込むソフトをPCにインストールする必要があります。メトラー・トレドでは数多くのソフトウェアをご用意しております。ソフトの詳細はこちらからご覧いただけます。

 

Q14

天秤をシステムの中に入れて使用したいのですが、データコマンドはありますか?

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A14

双方向通信モードのデータコマンド集(MT-SICS)がございます。多くの機種でコマンドを共通化しています。コマンド集は英文のみですがPDFファイル化しており、弊社ホームページよりダウンロード可能です。またデータフォーマット集もございますので、こちらは弊社までお申し付け下さい。

 

Q15

USBインターフェイスに対応していますか

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A15

天秤自体にUSBインターフェイスを搭載したモデルはございませんが、RS232Cインターフェイスに接続する、メトラー・トレド純正の変換接続ケーブル(USB-RS232)をご用意しております。

 

Q16

屋外で使用できる天秤はありますか?

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A16

PL-S天秤は、単三乾電池×4本で20時間の連続使用が可能です。(PL203-Sを除く)
その他、PB-S/FACT、PB-L、SB、AB-S、AL、PL天秤にはオプションで充電バッテリー”アキュパック”(連続使用8-15時間)をご用意しております。

 

Q17

風防のついていない天秤に風防を取り付けることはできますか?

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A17

ほとんどの天秤には、風防を取り付けることが可能です。(別途、計量皿の交換が必要な場合もございます。)大容量天秤には直接風防の取り付けはできませんが、天秤全体を囲む風防もご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

 

Q18

天秤を真空チャンバー内で使用したいのですが・・・

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A18

AB-S/PB-S の場合、特殊ハウジングが用意されています。(品番:11103859、別途交換技術料が必要になります。)AX/XS/XP/WX天秤の場合、100mbar の気圧下でも使用できることがテスト済みです。

 

Q19

比重測定キットのシンカーのワイヤーが切れた場合、修理はできますか?

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A19

液体比重測定用シンカーのワイヤーが切れた場合、修復は不可能です。理由といたしまして、シンカーはワイヤーが付いた状態で完全に調整されているため、修復すると正確な計量結果が得られないためです。 再度、シンカー(品番00210260)をお求め下さい。

 

Q20

天秤を滅菌することはできますか?

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A20

EOG滅菌、ホルマリン燻蒸、UV照射など、その条件によっては可能なものもあります。ただしオートクレーブ滅菌は、温度・湿度によって液晶表示部や電子回路部が破損するために使用できません。

 

Q21

E2分銅を使用しても天秤が正確な値を表示しないのですが。

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A21

分銅そして、天秤それぞれに公差があります。例えばXS205DUで20gの分銅を計測すると、E2分銅の最大許容誤差が±0.08mgで、さらに天秤の直線性としての公差が±0.2mgすから、計算上最大で±0.28mgの誤差が考えられます。従って、19.99972g~21.00028gの範囲においては正しいと言えます。

メトラー・トレドでは最適な分銅をお選びいただく上皿・分析用天秤精度チェック用分銅の選択機能をご用意しております。是非ご活用下さい。

 

Q22

天秤が故障したようなのですが・・・

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A22

まずは「天秤トラブルシューティング」をご覧下さい。こちらで解決しない場合は故障が考えられますので、弊社技術サービスセンターへご連絡下さい。