細胞培養では、溶存CO2濃度の測定・調整の価値が、急速に認められつつあります。アットラインやオフラインCO2測定の従来の方式は、一般的である反面、プロセスを向上させるために必要なリアルタイムのモニタリングには対応しません。
インラインCO2センサを用いてバイオリアクター内で直接行う連続測定は、生産性と最終製品の品質の両面で多大な恩恵をもたらします。
「インラインCO2センサによりバイオプロセシングを向上させる5つの方法」では、バイオ医薬品企業がインラインCO2測定をバイオリアクターに導入することで、プロセス開発、スケールアップ、製造プロセスの制御を強化する方法を紹介しています。
細胞培養では、CO2濃度が過度になると細胞にとって毒性となり、たんぱく質生成物の質にも影響する原因になるので、その濃度を測定、管理することが重要になります。具体的には、好気性の哺乳類細胞は増殖する際に栄養とO2を消費し、CO2、アンモニウム、乳酸を排泄します。細胞が増殖し続けるにつれて、排出された副産物の濃度が上昇し、その後の細胞増殖にとって好ましくない、pHの全体的な低下を導く可能性があります。さらに、溶存CO2は簡単に細胞内に入り込み、細胞内pHに作用し、重要な細胞プロセスに直接影響します。
また、特定の代謝プロセスでは十分なCO2が必要なので、バイオリアクター内の低CO2濃度は有害にもなります。このため、CO2を最適範囲で維持することにより、歩留まりを高め発酵時間を短縮できます。
通常、溶存CO2測定は血液ガス分析装置で測定しますが、技術者の労力が多大に必要な時間のかかるプロセスであり、特に研究開発/プロセス開発部門や施設で使用可能な生物的防除(バイオコントローラ)が多数ある場合はその傾向が顕著です。インラインCO2センサによるリアルタイム測定は、このようなオフライン手法に代わる信頼性の高い使いやすい方法です。
このガイドでは、インラインCO2センサを使用した細胞培養バイオプロセシングによって、いかに生産性が向上し、プロセス開発中の迅速なスケールアップが可能になり、細胞培養増殖の局面をより深く理解できるかについて説明します。
このガイドには以下のストーリーが含まれます。
- CO2蓄積量の管理による生産性の向上
- インラインCO2センサによる、ベンチトップから製造容器までのプロセス開発のサポート方法
- CO2を利用した呼吸効率のモニタリング方法
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