調合は、多様な物質を厳密な割合で混合し、特定の製品を作成するプロセスです。 調合レシピでのさまざまな物質の混合の割合は、調合開発プロセスで決定されます。 調合開発プロセスでは、味、色、保存期間、性能、有効性などの希望の特性を最終製品で実現するために、原料となる物質を使用して実験を繰り返す必要があります。
調合の開発は、原材料の正確な計量に大きく依存しています。 計量プロセスの1つのステップが間違っている場合、これを修正するためには手間のかかる再計算や他の原材料の調整を行う必要があります。 この間違いに気付かないと、特性が異なる製品や規格外の製品が製造され、無駄や高コストのやり直しにつながることがあります。特に製薬/食品業界であれば、最終消費者の健康リスクが生じる恐れもあります。
研究室での適切な調合の開発は多くの時間と労力を必要とするプロセスであり、さまざまな業界が以下のような多様な課題に直面しています。
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調合では、通常は選択した容器に原材料を1つずつ添加していきます。 天秤のひょう量には、すべての原材料と容器の合計に対応できる十分な大きさが必要です。 必要とされる正確さとひょう量に応じて2つの異なる天秤を使用しなければならないことがあります。
さまざまな業界が多様な目標に向かい、それぞれの調合を開発しています。 次の表で異なる業界の調合とそれぞれの目標を説明します。
| 業界/作業環境 | 調合の説明 | 改善目標 |
| 製薬 | 薬剤を患者に投薬できる形態にするための医薬品有効成分（API）と各種不活性原材料（賦形剤）との組み合わせ。 可能な形態として、錠剤、カプセル、吸入薬、静脈内投与薬などがあります。 |
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| 化粧品/フレーバー・香料 | フレーバーまたは化粧品は、正確な混合が必要な50種以上の物質の繊細な組み合わせです。 調合の違いによりフレーバーに違いが発生することがあります。 |
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| 化学/石油化学 | 油類、塗料、接着剤、ラッカーなどの幅広い製品。 多くの場合、このような製品には高揮発性物質や毒性物質が含まれます。 | 開発する製品により大きく異なります。 油類の場合は次のような物理特性があります。
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| 食品/飲料 | 市場の需要に応じた新製品の開発。 新しいフレーバー、異なるテクスチャを持つ製品の最適化されたコストでの開発。 |
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調合の開発には、安全で品質の高い製品を確保するために調合レシピの正確な実行が求められます。 調合の正確さ要件を満たす適切な天秤の選定が不可欠です。これと同様に、計量が常に天秤の安全な計量範囲内で行われることの確認も重要です。 安全な計量範囲を決定するには、天秤の最小計量値を確認する必要があります。
使用中の天秤が調合アプリケーションのニーズを満たしているかどうかについてサポートやアドバイスが必要な場合は、弊社までお気軽にお問い合わせください。
計量プロセスの一般的なエラーの原因として、計量許容誤差の欠如、不適切な機器の使用、サンプルのこぼれ、温度変動、空気対流、文書化エラー、不十分な科学者のスキルなどがあります。 調合プロセスには複数の計量ステップが関わるため、これらのエラーが積み重なって大きなエラーになることがあります。
製品の一貫性
すべての調合は、味、色、薬剤投与量など、特定の基準を満たすように開発されます。 調合に一貫性がなければ、製品は期待される結果を出せず、お客様の不満足につながり、健康や安全性のリスクが発生することもあります。 したがって、個々の調合原材料の計量が、調合SOPで定義されたプロセストレランスを確実に満たしていることが不可欠です。 使用する天秤は必要なプロセスの正確さ要件を満たしている必要があり、これを確保するためには品質保証のための適切な対策をとらなければなりません。
複雑なレシピ
多くの場合、化粧品の調合は50～100種の異なる成分で構成されているため、分析担当者には多くの労力と集中力が必要です。 わずか1つの成分を過剰に分注しただけでも、原材料の再計算と調整が必要になります。または調合全体をゼロから開始しなければなりません。 調合ワークフローに科学者の確認が必要な以下のステップが含まれていれば、エラーの発生リスクを大幅に低減することができます。
重要な成分の正確な計量
非常に重要な、または高価な原材料を少量使用する場合、特に個々の原材料の量と目標合計質量が大きく異なるのであれば、最小表示が小さく、より正確な第2の天秤を使用する必要があります。 2台の天秤を使用すると研究室に多くのスペースが必要になり、ワークフローのステップが増え、プロセスの不確かさが大きくなり、多くの投資が必要になります。
ドキュメント
トレーサビリティを確保するために、通常は調合ID、物質ID、目標質量、許容誤差、実際の分注量に加えて、日付、時間、ユーザーIDなどの基本情報が調合の文書化に含まれます。 行ったあらゆる再計算と調整も文書化する必要があります。 このすべての情報の手作業での記録には人為的エラーの大きなリスクがあります。 調合に間違いがある場合、データの記録が不正確であれば、エラーの原因を突き止めることは不可能です。
メトラー・トレドは、さまざまな業界の多様なニーズを満たす調合向けに幅広い研究室用ソリューションを用意しています。 基本的な調合のニーズについては、正確で信頼性の高い結果を提供する当社のStandardレベル分析/上皿天秤にお任せください。
Advanced / Excellenceレベル天秤は、調合アプリケーションに高いレベルの機能とカスタマイズを提供します。 規制対象の環境での調合では、Excellenceレベル天秤をLabXソフトウェアと組み合わせることで完全なワークフローソリューションが実現され、該当する規制へのコンプライアンスとデータの完全性が確保されます。 各ソリューションの利点を次の表で比較します。
メトラー・トレドのXPR上皿天秤により、研究室と工場の両方で、非常に厳しい計量条件の下でもすばやく正確な調合が可能になります。 StatusLight™、レベルコントロール、GWP Approvedなどのスマートな品質保証機能が、初回から正しい結果の確保に役立ちます。
調合メソッドを天秤に保存
個々の調合に合わせて内蔵の調合アプリケーションを調整することができます。 カスタマイズした調合メソッドをメソッドライブラリに保存できます。 インテリジェントなメソッドにより、調製する総量に応じて原材料の量が自動的に再計算されます。
効率的な計量と文書化
独自のSmartPan™計量皿は安定性が高いため、標準計量皿の最大2倍の速さで結果を得ることができます。 バーコードリーダーを接続すると、物質IDを迅速に間違いなく読み込むことができます。 結果とタスクデータは内蔵の結果プロトコルに自動的に記録されるため、時間がかかりエラーが発生しやすい手書きによるデータ入出力が不要になります。 複数のインターフェイス（USB×4、LAN×1）によってPCやその他のシステムに結果を簡単にエクスポートできます。
高性能天秤
高度な正確さが求められる中、サンプルの正味重量が小さく、きわめて高い繰返し性が求められる場合には、メトラー・トレドの高性能天秤が最適です。 これらの高性能天秤では、少量の原材料を独自の精度レベルで計量できるだけではなく、すべての調合成分を1台の天秤で計量するひょう量も備えています。 2台の天秤を個別に用意する必要はありません。
包括的なデータ管理
XPR天秤をLabX研究室用ソフトウェアに接続すると、包括的なデータ管理と完全なトレーサビリティが実現されます。 このソリューションはお客様の企業の既存のERP/LIMSシステムに統合できるため、レシピと結果の双方向の転送が可能になります。 LabXでは、すべてのプロセス情報と計算が自動的に処理されます。 すべてのデータは中央のデータベースに安全に保存され、いつでもレポートを作成することができます。 機器、タスク、ユーザーはすべて一元管理できます。 規制の厳しい環境では、LabXが、FDA ALCOA+に従ったデータの完全性要件へのコンプライアンスに役立ちます。
ビデオをご覧になり、カスタマイズ可能なメソッド、SOPユーザーガイダンス、自動計算、内蔵の記録用ノートパッドによって、XPR天秤が調合作成時の時間とコストの節約につながることをご確認ください。
天秤の安全な計量範囲内で計量していれば、正確で信頼性の高い計量結果を得ることができます。 メトラー・トレドの無料ガイドでは、安全な計量の科学的背景を説明し、天秤の安全な計量範囲を3つの簡単なステップで決定する方法を解説します。
以下の内容に関するノウハウを習得できます。
最も重要な点として、安全な計量範囲の決定にこれらのすべての項目が必要になる理由をご確認ください。
メトラー・トレドのAdvancedレベル分析/上皿天秤は、サンプル処理と最後の文書化で直面する課題に対応する、調合アプリケーション向けのもう1つのソリューションとなります。
MS-TS天秤はRS232 / USBインターフェイスを備え、メトラー・トレドのP-50プリンタとバーコードリーダーを天秤に接続することができます。
MS-TS天秤は調合アプリケーションを内蔵しており、これが調合の全プロセスのステップごとのガイダンスを提供します。 レシピコードと原材料IDは、バーコードを使用することですばやくミスなく入力できます。各重量値は自動的に記録され、次の原材料の添加前に天秤のゼロ合わせが実施されます。 添加した原材料とその重量値は、表、円グラフ、棒グラフでいつでも確認できます。 レシピが完成したら、調合全体を印字することも、トレーサビリティを確保するためにUSBメモリに保存することもできます。 印字物は、最大で3つのタスクID、1つのサンプルID、1つのユーザーID、また日時を含めるようにカスタマイズすることができます。
時間がかかり、エラーが発生しやすいサンプルIDと重量値の手作業の記録が不要になります。したがって、プロセス全体が大幅に高速に、安全になります。
メトラー・トレドのMS-TS天秤をプリンタやバーコードリーダーと組み合わせることで、調合を作成し、追跡するための効率的でコスト効率の高いソリューションを実現できます。
このアプリケーションガイドでは、バーコードリーダー、メトラー・トレドのP-52プリンタ、メトラー・トレドのMS-TSまたはML-T上皿天秤のシンプルな組み合わせを使用して、レシピ調合を正確かつ効率的に行う方法について説明します。
調合の一般的な課題を解決する方法を一読し、ステップごとのスクリーンショットに従って簡単に調合できることをご確認ください。
新製品の開発では、小規模の調合を使用して完全な調合レシピを作成します。 製造段階で調合をスケールアップし、消費者が求める量を製造します。 大量の原材料を計量するには産業用スケールが必要です。
大規模な調合に適したスケールについて詳しくは、こちらをご覧ください。
メトラー・トレドのExcellenceレベル天秤では、原材料の量と個別の許容誤差とともに調合メソッドを天秤に保存することができます。 内蔵の計量ガイドが目標値までの分注に役立ち、事前に定義された限界値を超えた場合は警告が表示されます。 Excellenceレベル天秤をLabX研究室用ソフトウェアと組み合わせると、原材料の許容誤差を超えたときにLabXにより原材料の量を自動的に調整することができます。
Excellenceレベル天秤では、調合メソッドを天秤に保存し、いつでも再度実行することができます。
メトラー・トレドのAdvancedレベル天秤では、添加済みの原材料の数をいつでも確認することができます。 暫定的な結果を天秤のディスプレイにいつでも直接表示できるため、調合プロセスのどの段階をその時点で実行しているのかを確認できます。
メトラー・トレドのExcellenceレベル天秤では、調合メソッドが天秤に保存され、次の原材料の名前が表示されるため、調合プロセスがよりシンプルでより安全になります
メトラー・トレドのExcellenceレベル天秤とAdvancedレベル天秤では、個々の調合原材料の重量値が天秤に自動的に保存されます。 暫定的な結果はいつでも確認できます。 最終結果は、印字することもPCに転送することもできます。 調合結果の手書きによる転記が一切不要になるため、転記ミスがなくなり、新たな調合を作成するための時間を確保できます。
それぞれのサンプルを一意的に識別するため、原材料にバーコードラベルを取り入れることをお勧めします。 Excellenceレベル/ Advancedレベル天秤はバーコードリーダーをサポートしています。調合への添加前に原材料のバーコードが読み取られるため、正しい原材料を使用していることを簡単にチェックできます。 Excellenceレベル天秤をLabXに接続すると、同じバーコードを再度スキャンしたときに警告が表示されるため、同じ原材料を2回追加することはありません。
Excellenceレベル天秤、LabX、バーコードリーダー、プリンタは、お客様がセキュリティとトレーサビリティの要件を満たすために役立ちます。 バーコードの使用によって転記ミスのリスクが一切なくなります。 バーコードを読み取ることで、LabXにより調合との不一致を防ぐことができます。 LabXでは、完成した調合の詳細なバーコードラベルを印字することができます。 すべての情報が一元管理されたデータベースに安全に保存されるため、トレーサビリティが確保されます。
天秤が安定しない場合は、計量セルが静電気の影響を受けている可能性が大いにあります。 静電気は通常の取り扱いによって容器やサンプル上に蓄積するため、お客様の操作には問題はありません。 場合によっては天秤が安定することもありますが、天秤に表示される計量値が添加した物質の真の量を表さない可能性があり、これが低い再現性の原因になることがあります。 静電気は計量エラーの隠れた最大の原因の1つであるため、容器とサンプルから静電気を取り除く手順を実施することが重要です。 自立型イオナイザーを分析または上皿天秤の横に配置し、容器とサンプルをイオナイザーに通してから天秤の上に置くだけです。 静電気の検出と除去のための包括的なソリューションとして、Excellenceレベル分析天秤は革新的なStaticDetect™テクノロジーを備えています。 StaticDetectは静電気による計量誤差を測定し、ユーザー定義の許容値を超えると警告を発します。 Excellenceレベルのオプションのイオン化モジュールは、風防ドアを閉じると自動的に作動するように設定でき、計量チャンバ内の静電気をわずか数秒で除去します。
LabX研究室用ソフトウェアをお客様のLIMSに組み込むだけで、調合成分に関する情報を天秤で実行する調合メソッドに簡単に転送できます。
