- 天秤の内部にアクセスしにくい、隙間に物が入ってしまう、といった理由で天秤の清掃が困難になることはありますか?
- 風防の開閉は簡単にできますか?埃や粒子が隙間に入って開閉が困難になっていないでしょうか?
- 内部構造へのダメージや校正の無効化を懸念して、天秤の清掃を躊躇されていませんか?
- 天秤の各部品を取り外す適切な方法はご存知ないですか?
上記の質問に「はい」と回答された方は、天秤の清掃は難しいとお考えかもしれません。以下にて、簡単に実施できる清掃方法をご紹介します。ぜひ、ご覧ください!
上記の質問に「はい」と回答された方は、天秤の清掃は難しいとお考えかもしれません。以下にて、簡単に実施できる清掃方法をご紹介します。ぜひ、ご覧ください!
規制への順守
USP(米国薬局方)の計量ガイドライン「General Chapter 1251 (Weighing on Analytical Balances)」にて、天秤の清掃に関する要求事項が記載されています。
FDA(米国食品医薬品局)では、21 CFR 211.67 にて、装置の清掃と保持について記述があります。
関連規制について理解をした後、以下の方法で清掃を行ってください。
1. 清掃の手順を書面で作成します。清掃に関するSOPは長く書く必要はありませんが、下記の項目に関して定義を示します。
2. 清掃を実施した履歴を書面で記録します。
清掃が必要な部品と清掃方法とは?
天秤の計量皿、ドリップトレイ、ハウジング、ターミナルは定期的にティッシュペーパーを使って清掃を行います。人体に影響を及ぼす可能性がある物質を取り扱う場合は、安全に十分注意をして作業を行ってください。計量皿、ドリップトレイ、風防のパネルは、布もしくはティッシュペーパーを中性洗剤で湿らせて拭きます。ミクロ天秤以外の天秤であれば、これらの部品を食器洗浄機で洗うことも可能です*。
適切な洗浄剤とは?
メトラー・トレドの天秤は、品質、耐久性の高い材質でできており、市販の洗浄剤をご利用いただけます。
適切な清掃の頻度とは?
多くのラボでは、天秤の日常的な検査が推奨されています。明らかに汚れている場合は、必ず清掃をしてから計量を実施してください。毒性の高い試薬を計量した場合は、必ず計量後に天秤の清掃を行ってください。これらに該当しない場合は、天秤の使用頻度に合せて週に一度もしくは月に一度清掃を実施します。尚、どのような頻度であっても、必ずSOPで定義します。
*風防ガラスパネル、イオナイザー(静電気除去ソリューション)が搭載された天秤は、導電性塗料が使用されています(XP56天秤の風防の内側など)。このような風防ガラスパネルは取り扱いにご注意ください。こすったり、十分に注意をして取り扱わないと、塗料が剥がれ、ガラスに静電気が帯電し、測定に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ウルトラミクロ天秤の丸みを帯びた風防は、赤外線を遮断する塗料が使われています。従って、ウルトラミクロ天秤の風防は食器洗浄機では洗わないでください。風防の外側は、中性洗剤や市販のガラスクリーナーで拭いてください。
90%以上のラボ用電子天秤の故障は、液体、粉体、固形物質が計量セルに入り込んだことが原因で起こります。