このホワイトペーパーでは、薬局方の要件に基づく分光光度計の校正ノウハウをご提供します。
このホワイトペーパーでは、薬局方の要件に基づく分光光度計の校正ノウハウをご提供します。 |
薬局方は、医薬品の調製や分析測定の手順と分析機器に関するガイドラインを規定する規制機関です。米国薬局方(USP)と欧州薬局方(Ph. Eur.)のいずれにも、紫外可視分光光度計の波長要件とその測定性能の確認、つまり分光光度計の波長校正に関する専用の章があります。
2020年に既に施行済みの両薬局方の改訂をお客様が遵守できるように、メトラー・トレドでは、この変更に準拠するため自動性能検証アクセサリを変更しました。
このホワイトペーパーでは、USPとPh. Eur.におけるUV/VIS 分光法に関連する重要な変更の概要を説明し、その影響と、規制遵守を確保するためのソリューションを詳しく見ていきます。
紫外可視可視分光光度計の校正が重要な理由
分光計の校正は、測定の正確度と繰り返し性に直接影響を与えるため非常に重要です。特に医療分野、製薬分野、産業分野における品質管理で重要なUV/VIS測定を行う場合、機器が仕様に従っていることが不可欠です。薬局方の規制(USPまたはPh. Eur.)に従って作業を行っているラボでは、機器の性能を定期的にモニタリングし、文書化する必要があります。
分光光度計の運転時適格性評価(OQ)とは
分光光度計のOQは、通常はUSPとPh. Eur.で求められる以下のテストで構成されています。
- 測光精度/繰り返し性
- 測光直線性
- 迷光
- 波長精度/繰り返し性
- 波長分解能
欧州/米国薬局方の旧版から最新版への改訂内容
2020年1月1日に施行され、分光測定時における運転時適格性評価の以下の内容が変更され、必須となりました。
- 両薬局方で測光直線性の確認が必須となりました。
- USPの最新版では、測定手順A(溶液フィルタ比メソッド)に加えて測定手順Bに従った迷光テスト(特定波長メソッド)が必須となりました。いずれのメソッドについてもchapter 2.3.4に説明があります。
- 両薬局方の最新版では、UV領域での測光評価に、これまで使用されていた重クロム酸カリウム(PDC)に加えてニコチン酸(ナイアシン)も使用できるようになりました。
- 両薬局方では同じ光学パラメータの評価が必要です。USPでは唯一例外的に測光繰り返し性の検証テストが要求されています。