技術イニシアティブ、SmartFactoryKLによるインダストリー4.0の生産ラインのデモからわかるように、これが、いわゆる第4次産業革命で変化するものと予想されています。「インダストリー4.0は、個別化された製品を柔軟なシステムで製造するための最先端のデジタルソリューションのネットワークです。」と、メトラー・トレド、インダストリー計量部門のインダストリー4.0マネージャ、Eugen Schibli氏は語ります。同氏はMTの代表としてSmartFactoryKLに加わり、インダストリー4.0のデモ生産ラインの計量センサを管理しています。
インダストリー4.0は製造業において世界的な関心を集めています。これまでにない速さで新製品を市場に送り出す必要があり、顧客は個別化と高い品質を求めています。SmartFactoryKLはインダストリー4.0のデモ用生産ラインを使用し、未来の工場における製造オペレーションのデモを行っています。
群青色かアルペンホワイトか。エレガントなインテリア設計か、もう少しスポーティなものか。乗用車を購入する場合に、それぞれが夢見る車を個別に設定するのは、長い間標準的に行われてきたことです。しかし、スニーカーなどの低価格の製品では、オーダーメイド生産は例外的です。
個別化された大量生産
SmartFactoryKLの19社のパートナー企業は、Kaiserslautern Research Centerのインダストリー4.0の原理に従って生産ラインを開発しました。このシステムは、移動式モジュールと独立した手動ワークステーションで構成される生産アイランドに分かれています。柔軟な輸送システムが、コンベヤベルトとロボットプラットフォームによってモジュールからモジュールへ製品を送ります。「たとえば、このシステムを使用して個別対応の名刺入れを生産できます。」Eugen氏は次のように説明を続けます。「色、刻印、アクセサリなど、お客様が指定する製品の特長はRFID*チップにプログラミングされます。ここには、赤い色、MTの刻印、ボトルオープナーのアクセサリ、35gの最終重量などが含まれます。この情報に沿って名刺入れは生産ライン内を移動します。」すべてのステップはチップに保存されます。製造プロセスの最後に、メトラー・トレドの高分解能WMS計量センサが製品の最終重量を確認し、これをRFIDチップ上の目標重量値や生産ステータスと比較します。
スマートな手動ワークステーション
計量センサが偏差を検出すると、その名刺入れは手動組立部品ステーションに送られます。作業担当者は、RFIDリーダーを使用して顧客の要件や現在の生産ステータスなど、製品メモリに保存された情報を読み取ります。スマート支援システムがサポートを提供し、ワークステーション上部に設置されたカメラが手の動きを記録します。これらの動きに基づいて、次の作業手順がスクリーンに表示されます。次に、MTロードセルが品質管理に使用されます。この名刺入れのコンポーネントを保管する容器システムがロードセルの上に構築され、これが各容器の重量を使用してフルレベルを、つまり容器内の個数を測定します。この結果、システムは正しい数量が取り出されたことをチェックし、エラーを特定することができます。ネットワークで接続された手動ワークステーションは、インダストリー4.0に含まれるものがロボットと自動コンベヤシステムだけではないことを示しています。人とコンピュータとの相互作用の向上をも示します。Eugen氏は次のようにまとめています。「インダストリー4.0の目標は、より速い、よりカスタマイズされた、より柔軟な生産を実現することです。」このため、足に完璧にフィットし、お気に入りの服装にマッチする、ぴったりのスニーカーを設計できるのもそう遠い未来の話ではないでしょう。
RFIDチップ(無線ID)は名刺入れのデジタル製品メモリです。RFIDチップは電磁場を使用し、さまざまな生産ステップで、さらにはそのライフサイクルを通じて製品を特定し、追跡します。