1. 静電気の蓄積を防ぐには
- 導電性の材質または帯電防止処理された材質を使用します。プラスチックやガラス容器は帯電しやすく適切な材質ではありません
- 取り扱いで異なる材質同士の接触を避けます
- 特に保護手袋を着用しているときなど、不必要に容器を扱うことを避けます
- 湿度を上げます(最適湿度は45~60%)
- 天秤と計量皿が電気的に接地された状態かを確かめます
- 絶縁靴を履くことを避けます
静電気と、静電気がサンプルや計量容器に与える影響を理解することは、優れた品質の計量結果を得るためには非常に重要です。可能な限り、サンプルや計量容器に蓄積する静電気を低減または解消するための予防的な対策を講じる必要があります。これによりあらゆる誤差、不安定な計量表示、安定までに時間のかかる計量結果を回避します。
静電気とは、非導電性材料の表面に蓄積する電荷です。
計量分野の驚異的な技術革新により、最新の分析天秤では計量の操作中に静電気があることを自動で検出できます。その力の度合いを測定し記録できます。内蔵型のイオナイザーモジュールの使用により、静電気を除電し、計量結果への影響を回避できます。静電気検出サイクルは天秤が安定する間に僅か数秒で行われるので、計量結果の遅れにつながることはありません。
StaticDetect™により、帯電したサンプルや容器の扱いが容易になり、天秤ユーザーの計量プロセスが効率化され、最も正確で信頼性の高い計量結果を得ることができます。
静電気が発生する最も一般的な原因は、次のような状況で起こる摩擦です。
通常、静電気の存在は以下によって認識できます。
実行しやすい実用的な解決策をいくつかお勧めします。
1. 静電気の蓄積を防ぐには
StaticDetect™は、静電気で苦労している天秤ユーザーを支援する特許取得済みの革新的な技術です。この技術はメトラー・トレドのXPR天秤を利用できます。この機能では、風袋容器やサンプルに存在する静電気をセンサにより自動で検出します。静電気を検出すると、その電荷が計量結果にどの程度影響するかを測定します。ユーザー定義による許容限度を超えると警告が発生します。天秤のディスプレイ上に、静電気の存在がアイコンで示されます。
静電気検出サイクルは、サンプルを天秤の計量皿に置き、風防の扉を閉じるとすぐに自動で始まります。静電気検出サイクルは計量ステップと同時に行われ、天秤が安定する間のわずか数秒しかかからないので、計量結果の遅れにつながることはありません。
接地処理された計量皿の下に同心電極が組み込まれており、AC電圧信号が印加されます。方形波信号の正の半波長によって正の電荷が電極で生成されます(a)。方形波信号の負の半波長によって負の電荷キャリアが負電極で生成されます(b)。 これら2つの状態(aとb)での測定結果の差は静電力(FE)に起因すると考えられます。サンプルまたは容器が静電気的に帯電していなければ、この差はゼロになります。この方法を使用して、センサはサンプルの実際の重量を測定できます。
(a):引力が測定対象の物体と電極との間に働きます。この力の垂直成分が重量に加わり、計量される重量値が真の結果より重くなることで、測定結果に影響を与えます。
(b): 斥力が測定対象の物体と電極との間に働きます。この力の垂直成分が重量から差し引かれ、計量される重量値が真の結果より軽くなることで、測定結果に影響を与えます。