還流下におけるインライン分析
in situの反応進行挙動をリアルタイムに追跡しながら、グリニャール試薬を形成する、シンプルかつ安全な方法をご紹介します。さらに有機ハロゲン化合物の系中での蓄積を防ぎ、予期せぬ反応の停止や暴走反応などのリスクを軽減します。 一般的にグリニャール試薬調整では、反応器にMgとTHFを入れ、<10%の有機ハロゲン化合物(R-X)を添加して還流まで温度を上げ、(発熱反応による温度上昇を検出することで)反応の開始を待ちます。反応開始を確認後、反応器に残りのR-Xを滴下します。ここでの課題は還流状態での発熱の開始を検出することと、反応の進行をモニタリングして反応の暴走を引き起こし起こしかねない、予期せぬ反応停止状態を回避することです(反応停止を検知し系中に過剰にR-Xが蓄積することを防ぐ)。
in situFTIRにより、R-X濃度とグリニャール試薬がリアルタイムでモニタリングされました。 リアルタイムモニタリングにより、反応開始の確認、滴下中の速度路解析や、危険な状態の即時検出が可能になりました。
in situでFTIRデータを1分ごと連続的に30分間測定することで、たった1度の実験から完全な反反応進行挙動が理解されました。予期せぬ反応停止時、系中へのハロゲン化アリールの蓄積がリアルタイムに検出されます。またその後の反応開始を遅延なく観察することにより、オペレーターは残りのR-Xを安全にリアクタに投入できました。この研究では、目的物の形成と反応終点も観測されました。これによって、安全なスケールアップとプロセス制御のために必要な反応進行挙動やメカニズムを完全に理解することができました。
in situリアルタイムFTIRは、反応開始、反応の進行、反応停止のそれぞれをサンプリングすることなく検出し、オペレーターの有害物質への曝露する機会を低減しました。リアルタイムのモニタリングは、反応が正しく進行していることを連続的に保証しました。