ロボットシステムマスコンパレータ

ロボットシステムマスコンパレータは、ロボットアームをと組み合わせた高性能のコンパレータ天秤です。分銅校正プロセスは、事前にプログラミングされた校正要件に基づいて自動的に実行されます。標準分銅とテスト分銅は、最大で100個の分銅を収納できるマガジンに保管されます。ロボットアームはマガジンから分銅を選択し、マスコンパレータの計量皿の上に配置します。すべての校正データはMC Link質量校正ソフトウェアによって自動的に保存されます。分銅セット全体の校正にオペレーターの介入が不要です。大量の分銅の処理能力により、ロボット制御のマスコンパレータは、ハイスループットで高精度な分銅校正に最適です。

メトラー・トレドは偏置誤差を排除するために、予め据え置かれた場所から、分銅を的確に計量皿へ移送するためのキャリアを開発しました。このキャリアは、直径のパターンを複数揃えており、さまざまな分銅の形状に合わせて微調整も可能です。最も適切なサイズのキャリアを選択することで偏置誤差の影響を最小限に抑えることができます。これは、高い分銅等級の校正に特に重要です。ロボット制御の質量校正システムは各分銅の個々の偏置誤差を測定し、これが分銅校正プロセスで考慮されます。偏置誤差の測定は、5gではなく3gと2gの組み合わせのように、分銅を組み合わせて使用し、計量皿への荷重が不均等になっている場合に特に重要です。

ロボットシステムのマスコンパレータは、分量校正に特化しています。分銅セットの校正には2つの確立された方法があります。最初の方法では、分銅を1対1で標準分銅と等量比較を行います。ただし、これには校正対象となっている分銅に対してすべての公称質量の標準分銅全一式が必要です。もう1つの方法では、選択した標準分銅だけを使用して分銅を校正し、残りの分銅は、公称質量の異なるテスト分銅を組み合わせでつり合いを取って校正を行います。このプロセスが分量・倍量による校正と呼ばれます。

分量校正は非常に複雑な手法のため、ロボットシステム以外の手動式マスコンパレータでは、膨大な時間を要します。多くの場合、分銅を積み重ね、特別に設計された計量スキームを採用する必要があります。たとえば、複数の分銅を手動マスコンパレータの懸架式計量皿に置くことは非常に困難で、公称値の異なる分銅グループの重心を見つけ出すことは事実上不可能です。ロボットシステムマスコンパレータを使用すると分銅供給スキームを柔軟に設計でき、最大で3つの分銅を計量皿に同時に置くことができます。

ロボットシステムマスコンパレータシステムは、オペレーターの介入なしに分銅校正プロセスを自動的に実行します。自動化されたプロセスによって精確さが向上し、エラーが減少して不確かさが最小限に抑えられます。ロボットアームは複数の分銅をコンパレータ天秤上に同時に配置できるため、分銅校正の効率が向上し、分銅の供給が劇的に簡素化されます。ロボットシステムマスコンパレータは、多くの分銅を非常に効率的に校正するため、ハイスループット分銅校正ラボの生産性向上とコスト最適化に役立ちます。さらに、ロボットシステムマスコンパレータは密閉された環境に置かれているため、貴重な標準分銅を保護する役割も果たしています。

• 天秤の位置センサは、衝撃や地震の影響などで天秤の位置にわずかな動きがあるかどうかを検出します。動きを検知すると分銅校正プロセスは直ちに停止し、ロボットアームと計量皿との衝突を防ぎます。
• 分銅の移動や分銅キャリアからの落下を防ぐために、ロボットアームの速度は慎重に最適化されています。
• ロボット制御システムのドアを開けると測定プロセスは停止します。密閉されたシステム内での空気の動きは、分銅校正の結果の精確さに影響を与えるのに十分です。
• 光センサを使用して、マガジン内の分銅キャリアの有無や正しいキャリアの搭載を検出します。キャリアが間違っていると、偏置誤差が発生したり、分銅がキャリアから落下したりすることがあります。
• 緊急停止ボタンを使用すると、オペレーターはロボットをいつでも停止させることができます。
• 分銅校正データの安全性を確保するために、すべての測定と関連するメタデータは安全なハードドライブに保存されます。

a10XLは、1対1の分銅比較メソッドと分量・倍量校正の原理の両方を使用してマイクログラム分銅を校正できます。

環境モニタリングシステムは、周囲の温度、湿度、気圧に関する正確な最新情報を提供します。この情報を使用して、空気浮力の補正を分銅の測定値に適用します。オプションのEfficiency Packソフトウェアを使用すると、真の質量と従来の質量を計算し、測定レポートに印刷することができます。